▲下衆の言葉にはかならず文字余りたり。
可愛く思っている我が子を僧侶にする親の気持ちというものは、大変気の毒なものだ。世間では僧侶を棒っきれか何かのようにつまらないモノだと思っているのも辛いことだ。
精進料理の粗末なものを食べ、居眠りをしただけでも酷く叱られてしまう。
若いうちは好奇心だって起きるだろうに、女たちが居るような場所だって忌み嫌うかのように避けて、ちょっと覗いてみることすらしないなんて、そんなことはおかしい。なのにその程度のことですら、世間ではやかましく責めるのだ。
ましてや修行僧にもなれば、とても辛そうだ。疲れて居眠りをしただけでも「居眠りばかりして」と非難されてしまう。肩身が狭い思いをしてばかりで、どれほど辛いことか。
とはいえ、こんな話はもう昔の話。現代の僧侶はとても気楽に過ごしているようである。