第17段◆淵は

続×4・怒涛のものづくし

淵といえばかしこ淵（場所は不詳）というのは、どんな淵の底を見てその名を付けたのかと思うとおもしろい。な入りその淵（ないりそ・立入禁止の意味・大阪府大東市）は、誰にどんな人が名前を教えたのだろう。
青色の淵（場所は不詳）も素敵な名前だ。蔵人が着ていそうな色だし。隠れの淵（場所は不詳）。いな淵（奈良県明日香村かという説あり）。

▲青色の淵こそをかしけれ。蔵人などの具にしつべくて

第18段◆海は

続×5・怒涛のものづくし

海といえば琵琶湖、与謝の海（京都府の宮津湾）、かはふちの海（大阪湾かという説もあり）。

▲海は水うみ、与謝の海、かはふちの海

第19段◆みささぎは

続×6・怒涛のものづくし

天皇陵といえば鶯塚古墳（うぐいすづかこふん・奈良県奈良市）、かしはぎの陵（場所は不詳）、あめの陵（場所は不詳）。

画像引用：wikipedia/KENPEI（https://goo.gl/DZolW5）

▲みささぎはうぐひすの陵、かしはぎの陵、あめの陵

第20段◆わたりは

続×7・怒涛のものづくし

渡し場といえば然菅の渡り（しかすが・愛知県豊橋市）、こりずまの渡り（兵庫県神戸市須磨区）、みづはしの渡り（富山県富山市）。

▲渡りはしかすがの渡り、こりずまの渡り、水はしの渡り

第21段◆たちは

続×8・怒涛のものづくし

太刀といえば玉造鍛冶（たまつくりかじ・宮城県大崎市）のものが良い。

（※「館といえば玉造が良い」と解釈する説もあり）

▲たちはたまつくり

第22段◆家は

続×9・怒涛のものづくし

建築といえば陽明門（ようめいもん・大内裏の東の門）、二条院、みかゐ（不詳）。一条院も素敵。藤原良房邸、清和院（せいわいん）、菅原道真邸、冷泉院（れいぜいいん）、藤原冬嗣邸、朱雀院、惟喬親王邸、紅梅殿、井戸殿、竹三条、小八条、小一条。

▲家は近衛の御門、二条、みかゐ、一条もよし。