草の花はナデシコ。唐のものはもちろん、日本のナデシコも大変見事ね。
オミナエシ。キキョウ。アサガオ。刈萱。菊。壷スミレ。
リンドウは枝ぶりが鬱陶しいけれど、他の花が皆、霜で枯れてしまった中に、大変色鮮やかに花を咲かせている姿はとってもステキ。
また、わざわざ人並に取り上げるほどの草花ではないけれど、かまつか(不詳。ツユクサか?)の花はいかにもキュート。名前はなんだか気に入らないけれど。「雁が来る花」と漢字で書くのよ。
ガンピ(雁皮・写真参照。ナデシコ科の多年草である岩菲説も)の花は、色は濃くないけれど、藤の花にとてもよく似ている。春と秋に花が咲くのも良いわね 。
萩はとても濃い色で、枝もしなやかに咲いている花が、朝露に濡れてなよなよと広がり伏せた様子がイイ。牡鹿が好んで寄り添って来るというのも、他の草花とは一線を画すところよね。
八重山吹も良いわ。
ユウガオは花の形がアサガオに似て、ユウガオ・アサガオと続けて言うに相応しいステキな花をしているのに、実の感じがとても不格好でガッカリ。なぜあんな形の実ができるようになってしまったのかしら。ホオズキみたいな実だったら良かったのに。それでもやっぱりユウガオという名前に限って言えば風情があるわね。
シモツケの花。葦の花も。
これらの中にススキを入れないのはダメだという人もいるでしょうね。秋の野の風情というのは、ススキがあってこそ。
穂先が蘇芳(すおう・第35段の写真参照)色になったススキが、朝霧に濡れてなびいた姿ったら! これに敵うものが他にあるかしら。
けれども晩秋には、まったく見映えしなくなる。色々と乱れ咲いた秋の草花が、跡形もなく散ってしまった後、冬の終わりまで穂先がもう真っ白でみっともない姿になっているのも知らずに、昔を思い出しつつ顔を風になびかせてゆらゆらと立っているのは、まさに人間のありさまのよう。
このように我が身に置き換えてススキに心を寄せるからこそ、ススキに対してしみじみと感じ入るのでしょう。
画像引用:wikipedia/Hamachidori(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%94)
和歌集は万葉集、古今和歌集がツートップね。
歌の題材としては都、葛、ミクリ、馬、霰が良い。
画像引用:wikipedia/Iifar(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%82%AF%E3%83%AA)